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まぼろしの霊場 常陸(水戸)三十三観音札所

  

   唯一の先達 寺田弘道が案内する

    まぼろしの霊場

     常陸(水戸)三十三観音霊場札所

 

常陸三十三観音霊場は、江戸時代に庶民の間で流行した水戸藩内に制定された観音霊場です。

 しかし現在では19もの札所が廃寺で、所在さえもわからず、特定されていない、まさに「まぼろしの霊場」で、巡礼しようにも出来なかつたのが現状でした。

 20数年前に「山椒の会」が発行した「水戸三十三観音ガイドブック」と榎本實氏の「水戸三十三札所をゆく」の2冊の本が手がかりでしたが、これも20数年も前のものであり、地図は手書きで大まかな道と山しか載っておらず、これを見ての探索は不可能に近いもので、また時代の変遷はその土地の様子を大きく変えており、目印とされていた商店、民家、郵便局、ポンプ場そして道路の整備で大きく様変わりしており、実際に場所を特定することは困難でした。一番困ったのが、道を尋ねようにもほとんどの家が戸閉めで留守、誰もおらず、聞くことさえもできなかったことです。また、札所のお寺でさえも詳しいこともわかっていなかったのが現状でした。

 10年かけて独自の資料を作っては見たけれど、実際に歩いて見なければわからない場所ばかりでした。平成25年10月から26年4月の厳冬期を7ヶ月、延べ13日をかけて、一筆書きの歩き巡礼を敢行し、山の中のヤブをかき分け、探し回り、ようやくすべての札所を発見できました。近代において歩き巡礼を成し遂げた人は誰もいない歴史的快挙です。

 この歴史的文化的貴重な遺産が、この地域にあった事実を研究し、後世に残していかなければ成りません。この霊場を再開発し、普及発展を図るため、地域の人たちとも手を取り合っています。唯一の結願者としての先達が詳しく解説し案内をいたします。

常陸観音霊場 

先達 寺田弘道

​ 常陸三十三観音は

通称水戸三十三観音といいますが、正式には常陸三十三観音です

各札所の観音様は公開されているものもあれば、未公開のものもあります。

 特に観音堂のみしか存在しない門徒寺のものは、普段は公開されていません。

 

     モノローグ

「半分が廃寺では霊場ではないんじゃないですか」というお声!

   だからこそ「まぼろしの霊場」といえます。

 全国でも稀に見る霊場といえるでしょう。しかしその埋もれていた札所に巡りあえた時の感動は、言葉に表せないものです。

  霊場めぐりはその札所の観音様とのご縁を頂くことです。

  結縁と、ご利益を頂くことによって、心が洗われたり、不思議な力を頂いたりする、霊験新たかな気分になれることです。

  普通の札所巡りとは違った巡礼を体験できるのが、この「まぼろしの霊場」めぐりなのです。御朱印はその証として頂くものですが、コレクションを目的に参拝される方も最近は増えています。それはそれで結構です。

​  廃寺の御朱印を希望の方には、当常陸観音霊場会が「参拝の証」としての御朱印を発行しておりますので、札所全部が揃います。私がこの霊場を捜し歩いたときに体験した、神秘的な出来事は、これから巡られる皆様にもきっと体験できるでしょう。

  そのいくつかをご紹介します。

 28番札所自在院跡の存在は、継承寺である性徳寺さんでさえ判らないでいました。2日間に亘って藪の中を掻き分け、雨が降る中探し回ったけれど見つかりませんでした。もう諦めて帰ろうといたのですが、最初に見つけた転がっていた石碑が気になって、もう一度確認に戻ってよく見たところ、石碑の文字に慶福寺という名を見つけました。これが自在院の名前だったのです。

  また別の日は膝まで積もる道無き雪山を登って行ったけれど、辿りつかず、遭難しそうになってあわてて戻ったけれど、見つからず、諦めて帰ろうとしたその時、すぐ脇に階段があり観音堂にたどり着きました。これらは観音様が 「ここにいるから見つけてほしい」と私に合図を下さったのでしょう。こうした経験が度々あり、不可能と思えた全部の札所を発見できたのです。

  その後の観音霊場講座に参加された方が、再度札所に訪れると、ご近所の特別なお接待をいただいたり、秘仏の観音様を拝観できたり、人とのつながりを深く感じたりした感動が報告されています。

  ぜひ、あなたもこの感動を体験してみませんか。

  

                                常陸観音霊場 先達 寺田弘道

​   常陸観音霊場の分布範囲

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