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まぼろしの霊場・常陸(水戸)三十三観音霊場

第14番札所  玉簾 玉簾寺
 

 瀑布山玉簾寺 

 (ばくふさん ぎょくれんじ)    臨済宗  
 

日立市東河内町899  
電話0294‐59‐0220
観音堂本尊 聖観音  秘佛
御詠歌 夏山に 落ち来る滝の玉すだれ 掛かるところや涼しかるらん

 

  玉簾寺は徳川光圀の命によって創建された臨済宗のお寺である。開基は延宝6年(1678)本尊は地蔵菩薩であるがここでは観音様の方が有名である。玉簾観音(たまだれかんのん)の名で知られ県指定。観音堂の裏に寺名の元となった滝がある。中国の廬山の風景を想像して堂塔伽藍を建て、天和三年(1683)には庫裏の増築もしたという。
常陸太田増井の正宗寺の天運和尚を招いて開堂したといわれ、観音像は定朝の作と伝えられている。
  光圀は貞亨三年(1686)この地で休憩中、瀑布のあたりから後光がさして観世音菩薩の姿を霊感されたので、江戸の小石川にある家康から贈られた観音像を玉簾寺に移して、山号を瀑布山と名付けたという。高さ61cm、鎌倉初期以前(1192)のもので京仏師の作とみられる。秘佛なので公開はされていない。

  この玉簾観音は安産祈願の人々に厚く信仰され、日立方面から入四間を越え歩いて参拝に来られる人が多かったという。

  現在は本堂と観音堂の間に道路が通っているが、昔はすべて境内だった。参拝者は本堂の前の左側、里川の縁から登る参道から入って来た(今はその道はない)という。

  

  「新編常陸国誌」に「臨済宗増井正宗寺末、瀑布山ト號ス、除地十三石五斗四升六合ナリ、雨夜伽云、東河内玉簾寺ト云寺アリ、松ノ葉越ニ、二重ノ塔十二里前ヨリ見ユル、此ノ土地ハ入四間月山ノ続キナリ、表門ハ往還ヨリ少上ニ見ル、寺中ニ至テ見レバ、客殿ノ前大山ノ裾ノ厳石ヲ用テ、スグニ庭トセリ、少モ手入ナク、自然ノ庭ノ如シ、庭ヲ通リ其奥に入テ谷越ユレバ向ニ高サ五丈程、幅四五間ノ瀧アリ、厳石ノ間ヨリ落ル水、厳ニ散シテ白布ヲ引ク如シ」などとある。

              先達 寺田弘道

​          玉簾寺観音堂

​    お前立観音

​     玉簾寺山門

​本堂と観音堂の間に道路が走っている。

​ 安産のお守り札

​  R349玉簾の瀧入口

​      玉簾の瀧

GPS 36゜37’42.39”N 140゜33’08.96”E

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