まぼろしの霊場・常陸(水戸)三十三観音霊場
第17番札所 松岡 大高寺
万徳山遍智院大高寺
(まんとくさん へんちいん おおたかじ) 真言宗
高萩市本町1丁目128
TEL029‐322‐2617
観音堂本尊 千手観音
御詠歌 旅人の 夢ますらん松の 暁近き鐘の響きに
大高寺は妙徳元年(1390)中興。一説には長禄期下手綱の大高に中興、文禄3年(1594)心蓮上人が大高から下手綱の内久田へ移したという。本尊の千手観音は徳一作といわれ、粟野の千手院、西明寺の観音と一木から三体がつくられたという。
不明であった大高寺以外の二体の観音様が今回の調査で見つかった。
「松岡地理誌」に「下総国建徳ノ住持鏡照法印長禄年中(1457~9)来テ下手綱ノ大高ト云所ニ建立シ、文禄三年甲午(1594)心蓮上人今ノ内久田ニ移ス。千手観音木佛立像長五尺七寸(約171cm)、徳一大師作、一木ヲ以テ観音三体ヲ造リシ其末木観音ニシテ、元木ハ大塚村西明寺ノ観音、中木ハ粟野村千手観音ナリ。当国順礼十七番ノ札處也」とある。「開基帳」には「真言宗山城国醍醐山報徳院末寺」とある。現在は市役所裏に移されている。
移転前の内久田には奥の院がつくられて墓地になっている。ここにはタイ・バンコクのワットサケット寺院より贈られた佛舎利(釈迦の遺骨)がパゴダの中に安置されている、世界でも数少ない仏塔が造られている。入口近くには、弘法冷水といわれる良質の湧水もあり、内久田の寺開山にまつわる伝説をもつ井戸である。
また小妻の地蔵院(廃寺で宝篋印塔しか残っていない)は、大高寺の末寺、地蔵院を引いたという。
大高寺には古い曼荼羅図が残されている。
先達 寺田弘道
大高寺本堂
徳一作の一木三体(上部)千手観音
寺伝ては行基作と伝えられ、「重きこと石の如し」と記されている
内久田 千手観音
普賢菩薩像
大高寺境内
九品曼荼羅図「観経十六観変相図」高麗にて描かれた貴重な仏画
胎蔵界曼荼羅図
佛舎利を収めたパゴダ
大高寺奥の院
奥の院入口にある弘法霊水
大高寺GPS 36゜42’54.87”N 140゜42’32.83E
奥の院GPS 36゜72’75.03”N 140゜68’97.20”E