まぼろしの霊場・常陸三十三観音霊場
第23番札所 菊蓮寺
舎利山三光院菊蓮寺
(しゃりさん さんこういん きくれんじ) 浄土宗
西金砂定源寺の継承寺
常陸太田市上宮河内町3600
TEL0294‐76‐9244
菊蓮寺は大同二年(807)行讃上人(天台宗)が開山。口伝によると権現の霊夢を受け、蓮華の上に舎利があり、菊華が咲き乱れ、そこから三種夫々が霊光を放つのを見てその場所に一寺を建立。舎利山三光院菊蓮寺と銘々。金砂権現として鎮守した。一時廃寺となり、寛正六年(1465)覺誉冏察上人が中興。浄土宗に開宗。天台宗より数えて八十九代、現在に至る。1657年に火災に遭い寺宝等焼失してしまったが、仏像は難を逃れた。
観音堂内には定源寺より移された貴重な仏像が祀られている。
千手観音三尊像 県文化財指定。
中央 木造千手観音立像 徳一作、檜材高3m50cm、県下第2位
以前の千手観音は定源寺あったが、平安時代末期に金砂山の戦
いで堂宇も焼失。鎌倉時代に製作したとある。
三尊像の後ろにサラシでまかれた黒く焼け焦げた千手観音が
あるが、これが金砂山の戦いで焼けた観音様といわれている。元
の本尊と考えられる。像高3m68cm平安期の製作、現在のもの
よりも大きかったといわれる。
右側 木造不動明王立像 像高1m62cm平安時代の製作とある。
左側 木造毘沙門天、 像高1m68cm平安時代の製作とある。
木造女神像 檜材像高1m15cm 湛慶の作といわれている。
また庫裏には十王経絵図10巻もある。
本堂右には賓頭盧尊者が祀られていて、自分の体の悪いところの
部分をなでると治るといわれている。
菊蓮寺の本尊は阿弥陀如来、脇侍は観音菩薩、静止菩薩の阿
弥陀三尊でともに恵心僧都の作といわれている。
定源寺より移されたとされる千手観音は県の重要文化財に指定さ
れている。
以来菊蓮寺は西金砂大御堂定源寺の継承寺として、観音様を守っています。
この一帯は役小角が開いた金砂山に由来する霊場であったようだ。慈覚大師円仁が菊蓮寺よりも東側にあたる金砂山一帯に、日光での信仰から伝来した天台道場を開いたことが始まりのようだ。
先達 寺田弘道
菊蓮寺本堂
千手観音三尊像 県文化財指定
本尊の阿弥陀三尊像
定源寺の本尊といわれる
焼けた千手観音
GPS 36゜37’45.42N 140゜25’35.43”E