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​まぼろしの霊場・常陸三十三観音霊場

第33番札所 塩子 岩谷山

岩谷山清浄院佛国寺   真言宗

(いわやさんしょうじょういんぶっこくじ)

 

城里町塩子1736  

TEL0296‐88‐2510

観音堂本尊 十一面観音

御詠歌 巡礼の 札を岩谷に打ち納め 帰るや諸願成就なるらん

 

  仏国寺入口には奥ノ院があり、昔はこの崖の中腹に掛け造りの観音堂があった。長いはしごで登っていた。いつのころかは分らないが掛け造りの観音堂は火災にあい今はない。現在は観音像が崖上に安置されている。この観音像も、以前に盗難にあい、80年ほど前に新たに像立されたものである。

 

  「水府志料」に「岩谷観世音 路の左右は奇石怪石聳出て、松杉鬱葱。泉流ははなはだ奇麗なり。数百丈の絶壁あり。その半腹にかけ造りの観音堂あり、またたぐひなき勝地也。土人関東女人高野と呼ぶ」とある。「開基」は天平元年(729)といわれる。

 古いガイドブックにある小松寺末寺は間違いである。小松寺の開基は治承4年(1180)、天台宗として開基、後に真言宗に改宗であり、仏国寺の方が古い。また、小松寺が一時衰退していた時期に仏国寺より僧侶を派遣して支援している。ここは天皇の勅願所でもある。

 小松寺の末寺というのは時系列からいってもスジが通らない。

 

  「新編常陸国誌」真言宗には「茨城郡塩子村 本寺高野山實性院 朱印地十石」とある。寺内而梵鐘記念碑があり、「当岩谷山佛国寺は行基菩薩の開基、次いで宗祖弘法大師此地に殿堂を創建された。慶長の初中興教導上人の時に陽成帝の勅額を受けた由緒ある寺院で、県自然公園に抱合され山は功徳成就所は清浄烈祖相承の法灯燐として今日に至る。梵鐘は貞亨改元の冬鋳造するところ昭和四十二年有形文化財に指定される。」とある。

  奥ノ院は入口の山道が急カーブした所の奥にあって、山道を50mほど登る。昔は崖に掛けづくりの観音堂があった。御堂にははしごをかけて登ったという。今では観音堂も存在しないが聖観音像が残っている。

平成六年に本堂は放火に遭い堂宇初め貴重な資料が焼失してしまった

                 先達 寺田弘道

      仏国寺本堂

​奥の院の崖、掛造りの観音堂があった。

​   文化財指定の梵鐘

​ 掛け造りの観音堂図

木喰上人ゆかりの水戸五百羅漢寺。水戸市渋井町にあった広大な寺院である。

崖上の観音像

​GPS 36゜30’28.74”N 140゜16’38.88”E

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